店舗併用住宅で住宅ローンは組める?メリットや条件を解説

自宅と店舗が一体となった店舗併用住宅は、美容室や飲食店、エステやカフェなどの事業で採用されることが多いですが、ローンの組み方に疑問や不安を覚える方が多いようです。
一般的な注文住宅では住宅ローンを組みますが、店舗併用住宅はどのようなローンが使えるのか分かりにくいですよね。
結論からお伝えすると、店舗併用住宅でも一定の条件を満たすことで金利が低い住宅ローンを組むことができます。
この記事では、店舗併用住宅で住宅ローンを組むための条件、事業用ローンとの2本立てなどの選択肢も含めた資金計画の考え方を解説します。
このコラムのポイント |
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・自宅と別に店舗を借りるよりローンを組んで店舗併用住宅を建てた方が、費用・利便性などさまざまなメリットがあります。 ・店舗併用住宅に使えるのは住宅ローン・事業用ローンの2種類で、それぞれメリット・デメリットがあります。 ・床面積の割合や構造など、店舗併用住宅で金利が安い住宅ローンを組むための条件を解説します。 |
Contents
ローンを組んで店舗併用住宅を建てるメリットとは?

店舗併用住宅は一般住宅より建築費用が多めにかかるケースが多いですが、ローンを組んで建てても次のようにさまざまなメリットがあります。
- ・別に店舗を借りるより費用負担を抑えやすい
- ・ローン完済後は自分の資産になる
- ・店舗部分のローン利息を経費計上できる
- ・通勤時間がかからず時間を有効活用できる
マイホームと別の場所に店舗を借りる場合、住宅ローンの返済と家賃の支払いが別になりますが、店舗併用住宅でまとめた方が費用負担を抑えられる可能性が高いです。
また、店舗を借りる家賃と同じぐらいの負担でローン計画を組めれば、完済後に自分の資産として残る点も大きなメリットです。
ローンの完済後は店舗の収益性がアップしますし、賃貸にして家賃収入を得る方法もあります。
また、店舗部分で組んだローンの支払い利息は経費計上できるため、節税効果も得られます。
自宅と店舗を同じ建物にまとめることで通勤時間がかからず、生活の負担軽減や子育てとの両立などがしやすくなるのもメリット。
店舗併用住宅のローンの選択肢

店舗併用住宅で利用できるローンの選択肢は、主に住宅ローンと事業用ローンの2種類です。事業用ローンは不動産投資ローンなどと呼ばれることもあります。
住宅ローン | 事業用ローン | |
利用目的 | 自宅の建築や購入のための借入 | 事業や不動産投資のための借入 |
金利 | 低め | 高め |
審査で重視される項目 | 借入人の返済能力や年齢など | 事業の収益性 |
住宅ローンと事業用ローンは、利用目的や金利、審査の際に重視される項目などさまざまな違いがあります。
具体的な違いをチェックしていきましょう。
住宅ローン
住宅ローンは、一戸建ての注文住宅や建売住宅、分譲マンションや中古住宅などの購入を対象とした金融商品のことです。
基本的には自宅の建築や購入が対象で、店舗併用住宅の場合は住居部分で住宅ローンを利用できます。
ただし、一定の条件を満たすことで、店舗併用住宅全体で住宅ローンを組めるケースも。
住宅ローンはほかの金融商品より金利が低く、借入する本人の年収や勤続年数など、返済能力を中心に審査される傾向があります。
事業用ローン
事業用ローンは、開業資金や事業資金の借入を対象とした金融商品のことです。
店舗併用住宅は店舗部分に収益があるため、事業用ローンを組むことができます。
事業用ローンは事業そのものの収益性が重視される傾向があり、店舗部分の収益性を示すために事業計画書を作成する必要があります。
店舗併用住宅で住宅ローンを組むメリット

事業用ローンではなく、住宅ローンを組んで店舗併用住宅を建てる場合、次のようなメリットがあります。
金利が低い
住宅ローンは事業用ローンより金利が低く、総返済額や月額の返済負担を抑えられるのが大きなメリットです。
金利相場は金融機関や借入条件によって変わりますが、住宅ローンは0.3%~2%、事業用ローンは3%~5%とかなり違います。
店舗併用住宅全体の借入を住宅ローンに一本化すれば返済負担を抑えられるため、事業の収益性が高まり、初期費用回収のスピードも早くなります。
借入期間が長い
事業用ローンより借入期間が長く、ゆとりのある返済計画を立てやすいのも住宅ローンならではのメリットです。
一般的な事業用ローンは、借入期間を10~15年前後に設定することが多いです。
一方、住宅ローンの返済期間は年収や借入時年齢などの条件で変わりますが、最長35年とかなり長く取ることができます。
店舗の事業計画やライフプランに合わせて返済期間と月額負担を調整でき、無理のない計画を立てられるのは大きなメリットと言えるでしょう。
事業計画書が不要
事業用ローンを使わずに店舗併用住宅全体で住宅ローンを組む場合、事業計画書の作成や提出が不要なのもメリットです。
住宅ローンは借入人の返済能力を中心に審査するため、店舗部分の事業計画は必要ありません。
もちろん、店舗部分の事業計画自体は必要ですが、準備が多岐にわたる開業段階で事業計画書作成の負担を軽減できるのはうれしいポイントです。
店舗併用住宅で住宅ローンを組むための条件

事業用ローンを使わず、店舗併用住宅全体で住宅ローンを組むためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
金融機関によっても条件は変わりますが、基本的な内容を押さえておきましょう。
住宅の床面積が建物全体の1/2以上
店舗併用住宅全体に住宅ローンを適用するためには、住宅部分の床面積が建物の全体の1/2以上を占めていることが条件になります。
各階の床面積を合計した延床面積に対し、自宅部分の床面積が半分以上になるように設計する必要があります。
店舗部分を自己使用すること
住宅ローンで店舗併用住宅を建てるためには、どのような業種でも、店舗部分は建築主ご自身、または同居人が使用することも条件の1つです。
店舗を賃貸にして家賃収入を得る場合は、住宅ローンの対象にならないため注意しましょう。
住宅と店舗を行き来できる構造であること
屋内で住宅部分と店舗を行き来できる構造にすることも、店舗併用住宅全体に住宅ローンを適用する条件にしている金融機関が多いです。
住宅と店舗の行き来で屋外に出る必要がある間取りや、同じ敷地内で別棟として建てる場合は住宅ローンの対象になりません。
店舗併用住宅で住宅ローンを組めない場合はどうする?

前述した条件を満たすのが難しく、店舗併用住宅全体に住宅ローンを適用できない場合は、事業用ローンとの2本立てにするのが一般的な対策です。
自宅部分は住宅ローン、店舗部分は事業用ローンを組むことができます。
住宅ローンと事業用ローンの併用なら、自宅と店舗の面積割合の条件をクリアする必要がないため、店舗部分を大きくして収益性を高めることも可能です。
ただし、前述したように事業用ローンは住宅ローンより金利が高いため、綿密な資金計画が必要となります。
例えば、頭金を用意する場合は、金利が高い事業用ローンの方に入れたほうが利息の負担を抑えられます。
店舗併用住宅で住宅ローン控除は使える?

店舗併用住宅に住宅ローンを使う場合は、住居部分のみ住宅ローン控除を使える可能性があります。
住居部分の面積割合が1/2以上であること、その他いくつかの条件を満たすことで、住宅ローン控除を活用できます。
仮に自宅部分の面積割合が2/3の場合、年度末の住宅ローン残高の2/3が住宅ローン控除の対象です。
住宅ローン控除で減税措置を受けることで返済負担を抑えられますので、店舗併用住宅の計画段階から適用できるかチェックしておきましょう。
まとめ
店舗併用住宅は、一定の条件を満たすことで、金利が低い住宅ローンを組める可能性があります。
住居と店舗の面積割合や構造などの条件を把握し、店舗併用住宅の間取りづくりと平行して資金計画も立てることが大切です。
また、資金面だけでなく、店舗併用住宅としての使い勝手や集客に関わるクオリティにこだわるのも重要なポイントです。
一般住宅とは異なる工夫が求められる部分もありますので、店舗併用住宅の実績が多い施工会社に相談しましょう。
店舗併用住宅をご検討の際は、豊富な実績を持つ矢島建設工業にご相談ください。
これまで多くの店舗併用住宅をサポートして培ったノウハウをもとに、間取りづくりや資金計画までトータルサポートいたします。



監修者情報

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矢島建設工業株式会社 商環境事業部 事業部長
一級建築施工管理技士/監理技術者/サウナ・スパプロフェッショナル/DIYアドバイザー -
北海道生まれ。乃村工藝社、日商インターライフ、秀建などを経て2024年矢島建設工業に入社。
1985年から様々な商業施設の設計施工業務に携わり、3000件を超えるリアル店舗の設計・監修や施工・マネジメントを手掛ける。
近年はサウナ・温浴施設のプロジェクトに関わり、サウナ事業を学ぶため全国のサウナやフィンランド・ドイツ・エストニアにも渡って知見を広めている。
新事業のアドバイスを、ものづくりの目線から忌憚のない意見をする事がモットー。
第2期サウナ開業塾生
第1回Tehdään Sauna! Finland 修了
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