輸入住宅のデメリットや注意すべきポイント|後悔しない建て方の基礎知識を解説

アメリカン・フレンチ・北欧などおしゃれなデザインの輸入住宅は魅力的ですが、日本で建てる場合デメリットが気になる方も多いのではないでしょうか。
インターネットなどで輸入住宅について調べると、「デメリット」「後悔」といった言葉も目に付くため、マイホームとして選んで良いのか気になりますよね。
確かに、海外の設計思想に基づく輸入住宅は、デザイン性だけで選んでそのまま日本で建てるとデメリットが目に付き後悔するリスクもあります。
しかし、事前にデメリットを把握して対策すれば、後悔を防ぎおしゃれで暮らしやすいマイホームに仕上げることも可能です。
この記事では、輸入住宅の構造や法規制など注意すべき点やデメリット、後悔を防ぐための考え方などを詳しく解説します。
このコラムのポイント |
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・日本と海外では住宅に関する法律が違うため、建築基準法に則った部材の選定や設計が求められます。 ・輸入住宅で主流のツーバイフォー工法は、日本でも1974年から採用されており、一定のシェアがあるため構造自体の問題やリスクはありません。 ・広さや周辺環境、ライフスタイルなど、日本と海外の住宅事情の違いも理解して、暮らしやすい間取りをつくるのが輸入住宅づくりのポイントです。 |
輸入住宅にデメリットはある?

海外の建材や設備を使った本格的な輸入住宅には、高いデザイン性や耐久性などのメリットがある反面、日本で建てる場合は注意すべき点やデメリットもあります。
輸入住宅は海外の気候や風土、ライフスタイルを基に設計されているため、そのまま日本に持ってきても建てられなかったり、暮らしにくくなったりするリスクがあるのです。
特に注意しないといけないのは、海外と日本では住宅に対する法規制が異なる点です。
輸入住宅は耐久性や断熱性が高い傾向があるものの、そのままでは日本の建築基準法に対応できないケースもあります。
輸入住宅で注意すべき法規制とは

日本で建築物を建てる際は建築基準法に適合する必要があり、輸入住宅も例外ではありません。
建築基準法では使用する部材や構造について細かい規定があり、1つでも適合しなければ違反建築物になってしまいます。
輸入住宅で主流のツーバイフォー工法(2×4工法)は、建築基準法における「枠組壁工法の技術基準告示」で使用する部材や工法が規定されています。
例えば、ツーバイフォー工法に使用される構造用合板は、JAS(日本農林規格)の基準を満たしたものしか使用できません。
ほかの部分に使用する建材もすべて規格が定められており、海外から輸入する場合、建築基準法に適合しない場合は差し替える必要があります。
また、土台や床、耐力壁に使用する部材や構造なども細かく規定されています。
- ・土台の寸法は厚さ38mm以上、幅89mm以上としなければならない
- ・床根太の視点間の距離は8メートル以下としなければならない
- ・床材や厚さ15mm以上の構造用合板、厚さ18mm以上のパーティクルボードなどにしなければならない
- ・耐力壁の枠は厚さ38mm以上、幅89mm以上でなければならない
上記はあくまで一部ですが、住宅に使用する建材の寸法や材質が細かく規定されていて、1つでも基準を満たさない部材がある輸入住宅は日本で建てることができません。
また、ヨーロッパのように地震が少ない地域の輸入住宅では、地震が多い日本の法規制をクリアできるか、揺れによる倒壊や破損を防いで長く暮らせるかといった視点の確認も必要です。
参照:国土交通省 枠組壁工法又は木質プレハブ工法を用いた建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める件
輸入住宅のツーバイフォー工法は日本でも問題ない?

前述したように輸入住宅で主流のツーバイフォー工法はさまざまな法規制がありますが、高温多湿な日本で建てて問題ないのかと心配する方も少なくありません。
結論としては、ツーバイフォー工法は日本でもすでに50年以上の実績と一定のシェアがあるため、構造として基本的には問題ありません。
ツーバイフォー工法は1974年に日本で技術基準が告示され、木造建築構造として採用が始まりました。
それから徐々にシェア率を伸ばし、現在は新築着工数の10%以上をツーバイフォー工法の家が占めています。
参照:一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会 着工戸数の推移
輸入住宅だけでなく国内のハウスメーカーや工務店もツーバイフォー工法を採用していることからも、日本で建てても問題ないことが分かります。
また、前述したようにツーバイフォー工法について建築基準法で細かく規定されているため、法基準をクリアすれば日本でも問題ありません。
このように、ツーバイフォー工法は構造についてのデメリットや不利な点はなく、信頼性の高い住宅会社を選び、ライフスタイルに合わせた住まいづくりをすることが重要になります。
輸入住宅の後悔を防ぐポイント

前述したような輸入住宅の法規制の課題をクリアすれば日本で建てることには問題ありませんが、暮らしやすさの面での後悔を防ぐ取り組みも重要です。
海外の住宅は遮蔽物のない広い土地に建てる前提の間取りやデザインになっているため、輸入住宅を日本の住宅地にそのまま建てると後悔するリスクがあります。
例えば、西海岸やアーリーアメリカンなどで定番のカバードポーチはデザイン性や利便性が高い間取りですが、周囲の住宅が近い日本の住宅地にはマッチしない可能性が考えられます。
アメリカの広い土地ならカバードポーチで景色を見ながらくつろげますが、日本の住宅地だと日当たりが悪く、周囲の視線が気になり、結局使わず後悔するリスクが考えられます。
また、輸入住宅で定番の上げ下げ窓や滑り出し窓などの小さい窓も、土地自体の日当たりが悪いと採光不足で室内が暗くなるリスクも。
海外の生活様式に合わせた間取りが、日本の住宅やライフスタイルにマッチするかどうかと言いう視点も必要です。
例えば、アメリカの新築住宅の平均延床面積は200㎡(約60坪)前後ですが、日本の注文住宅の平均延床面積は121.3㎡(約37坪)と、かなりの差があります。
必然的に日本の住宅の方が各部屋の面積が狭くなるため、海外の間取りをそのまま取り入れると暮らしにくさや圧迫感が出る可能性が考えられます。
ゲストを招いてパーティーなどをすることが多い開放感のある海外の間取りも、日本のライフスタイルにそのままマッチしないケースがあるので要注意。
あまり人を招く機会がなく、思春期のお子さまが居るご家庭の場合は、大人数集まれるスペースより、程よい距離感で過ごせるプライベートスペースを重視した方が良いこともあります。
このように、海外と日本では住宅事情やライフスタイルが異なるため、輸入住宅のデザインや間取りアイデアをそのまま取り入れると後悔するリスクがあるのです。
輸入住宅ならではの間取りやデザインも取り入れつつ、ご自身のライフスタイルに合わせてカスタマイズしてみましょう。
まとめ
輸入住宅は日本の住宅にはないデザイン性や間取りが魅力的ですが、法基準や暮らしやすさといったデメリットや課題もあります。
おしゃれなデザイン性だけを見て輸入住宅を選ぶと、規制や費用、暮らしにくさなどの面で後悔するリスクも考えられるのです。
輸入住宅に限ったことではありませんが、マイホームづくりでは、ご予算やライフスタイルに合わせて、本当に必要な設備や間取りを選ぶことが重要です。
輸入住宅を含めた施工実績が豊富な会社や設計者に相談し、暮らしやすく満足度が高いマイホームを目指しましょう。
矢島建設工業は1923年から住まいづくりに取り組んできた実績を活かし、お客様にピッタリな住宅プランをご提案いたします。
一般的な注文住宅はもちろん、輸入住宅も多数手がけておりますので、どのような住まいづくりもお気軽にご相談ください。



監修者情報

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矢島建設工業株式会社 商環境事業部 事業部長
一級建築施工管理技士/監理技術者/サウナ・スパプロフェッショナル/DIYアドバイザー -
北海道生まれ。乃村工藝社、日商インターライフ、秀建などを経て2024年矢島建設工業に入社。
1985年から様々な商業施設の設計施工業務に携わり、3000件を超えるリアル店舗の設計・監修や施工・マネジメントを手掛ける。
近年はサウナ・温浴施設のプロジェクトに関わり、サウナ事業を学ぶため全国のサウナやフィンランド・ドイツ・エストニアにも渡って知見を広めている。
新事業のアドバイスを、ものづくりの目線から忌憚のない意見をする事がモットー。
第2期サウナ開業塾生
第1回Tehdään Sauna! Finland 修了
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